こころとからだ

カラダにはカラダの事情がある

姿勢をチェックすると、右肩が左肩よりも高くなっている。

そんなとき、以前なら「左右の高さを揃えましょう」と、当たり前のように見た目を整える調整をしていました。

が、いまは

「なぜ、このカラダは右肩を高くする必要があったのだろう?」

と、カラダに訊くようになりました。

カラダには、カラダなりの事情がある。

たとえば、何かを守ろうとしていたのかもしれない。

何かを耐えるために、そうせざるを得なかったのかもしれない。

あるいは、環境に適応するために、あえてアンバランスを選んでいたのかもしれない。

なのに、それを聴くこともせずに「左右差=悪」と決めつけて、整えようとする。

そんな関わり方は、もうしたくない。

“正しい姿勢”って、そもそも誰のための正しさなんだろう。

教科書どおりの筋骨格バランスが、すべての人にとっての正解とは限らない。

もしかしたら、アンバランスの中にこそ、その人の個性や才能が眠っているかもしれない。

その人にしかない、美しさが滲んでいるかもしれない。

枠の中で安心できる人もいれば、枠からはみ出すことで自由になれる人もいる。

だから僕は、決めつけた「理想の枠」にカラダを押し込めたくない。

「こうあるべきだ」と押しつけるのではなく、その人の快適さを探す通訳のような存在でいたい。

カラダには、生き方があらわれている。

そしてカラダは、どう生きるとラクかを、ちゃんと知っている。

ただその声に耳をすまし、それに寄り添って調えていく。

たとえ見た目がアンバランスに見えたとしても、それで調和しているなら、それでいい。

“正しさ”より、“快適さ”へ。

そんな施術を、これからも大切にしていきたいです。

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