こころとからだ

セミナーのつかみネタでスベる理由。

かれこれ15年くらいセミナー講師としても活動していて。

ちゃんと数えていないですが、数百回の講座を経験してきているんですね。

で、セミナーで1番大切なのは「場の雰囲気づくり」だと思っていたのです。

以前は。

いかに場を「つくる」ことができるか。

僕でいうと「和やかな場」がやりやすいので、そんな場を「つくろう」としていました。

なので、セミナー冒頭で「場を和ませる」ための、つかみネタを。

でも、だいたいスベるのです。

スベって、微妙な空気にしてしまう。

そこから盛り返すのは、結構な負荷がかかる笑

なので、しばらく前から、やめたんです。

「つかみネタ」を。

スベって微妙な空気にするくらいなら、やめようと。

挨拶もそこそこに、いきなり本題に入る。

最近はそんなスタイルで。

で、先日の谷田先生との沖縄コラボセミナー。

谷田先生ね、「つかみネタ」で和やかな雰囲気をつくるのが上手いんです。

冒頭で「V8」という野菜ジュースのネタを。

(谷田先生のV8への愛はこちらの記事で伝わります。)

それ自体はセミナーの内容と全く関係ないんです。

でも受講者さんたちにはめちゃウケて、一気に和やかな場に。

これこれ。

これなんだよな。

つくりたい場は。

でも僕がやると、スベるんです。

なにが違うんだろう?

やっぱり大阪人の笑いのセンス・話術には勝てないのか。

・・・と考えていたら、谷田先生が答えを教えてくれました。

なにを話そうって、アタマで考えるから、自分が硬くなり、場も硬くなる。

アタマで考えるんじゃなくて、心が動いたことを話す。

心が動いたことを話すとき、自然に熱量が上がる。

その熱量が、聴く人の心も動かす。

・・・そうか、そういうことか。

僕がセミナーのつかみネタでスベっていたのは、そういう理由だったのか。

「そもそもネタがつまらなかったのでは?」

いやいや、まぁ、うん。

それもあるかもしれない笑

でも谷田先生が話してウケたV8ネタ、僕が話してもウケなかったと思うんです。

話術が違うから?

うん、それもあるかもしれない笑

でも決定的に違うのは。

「心が動いたか、動いていないか。」

僕はもうV8が売っていないことなんて気にならないし、むしろV8の存在を思い出すこともなかった。

でも谷田先生は今回沖縄にくるにあたってV8を飲める・買えるのを心底楽しみにしていたし、売っていないと知ったときのショックもその分大きかった。

V8にまったく心が動かない僕と、心を大きく揺さぶられた谷田先生。

V8を語ったときに熱量が伝わるのは、どちらなのか。

「なにを話すか。」も大事ですが、それ以上に「どんな熱量で話すか。」が大事。

アタマで計算してつくった話では、熱量が自然に湧き出てこない。

「意識的につくった熱量」は、聴いている方も暑苦しく感じるし、話している方も疲弊します。

でも「自然に湧き出てくる熱量」は、聴いている方の心も動かし、話している方も疲弊どころかどんどん気が巡る。

そして谷田先生は、意識的に「場を和ませよう」とはされていなかった。

ただただ、前日に心が揺さぶられた「V8事件」について語っただけ。

結果的にそれがめちゃウケて、場が和んだ。

「(狙って)和ませた」のではなく「(自然に)和んだ」

僕がスベったときは「和ませよう」としていた。

そうか、そういうことか。

セミナーでも本題に入ったあとの内容とか、あとは施術でも、「内から湧き出てくる感覚」に委ねて仕事ができるようになってきているのです。

が、セミナーの「つかみ」だけはどうしても苦手だったのですが。

理由がわかってスッキリしました。

谷田先生も僕も、セミナーを通してお伝えしたいことの本質は、知識や技術だけではなく、伝えるときの内から湧き出る熱量なんですよね。

だから基本的に打ち合わせなしのアドリブなんです。

「こういう内容・進行でやりましょう」と細かく具体的に打ち合わせをしたとして。

本番のときにその内容で心が動くとは限らないわけで。

セミナーの前日や当日に起こる出来事で心が大きく動くかもしれないし、それは打ち合わせ段階では予測不能なわけで。

そして受講者さんも含めてつくられるその日その時の場の空気感、当然打ち合わせ段階では感じきることができない。

内から湧き出る熱量を共有するのが目的で、そのための手段が陰陽五行やその日のテーマで。

同じ場を共有することで受講者さんも自然に僕たちに共鳴し、自然に内から湧き出てくるものがあるのではないかと。

それを体感していただきたい。

その「内から湧き出てくるなにか」が、その人本来の魅力や才能を発揮させるもので。

それ以上に大切な知識や技術があるのか?と。

だから僕たちは、知識や技術を伝えることよりも、自分たちの内なる感覚の方をまず優先していて、だから基本アドリブで講座をしています。

と、思います。

僕はそうですが、谷田先生はそうじゃないかもしれません笑

なので。

教科書的な学びを期待されている方には、期待外れになるかもしれません。

この記事の冒頭で。

「以前は、セミナーで1番大切なのは場の雰囲気づくりだと思っていた。」

と、書きました。

「雰囲気を(意図的に)つくろう」としていたから、うまくいかなかった。

だからもう、つくろうとしません。

自然につくられる、そう「なる」ように。

心が動いたことを大切に、やっていきます。

↓のコラボ講座、僕の「つかみネタ」を楽しみにしててください笑

<オンライン>12/1(金)・2(土)谷田・照喜名コラボ陰陽五行講座