こころとからだ

同じレシピでつくったのに味に差がついてしまう。

お客さんから聴いた話。

個人経営のイタリアンレストランへ。

ほかのお客さんがある料理をとても気に入って、レシピを訊いたそうなんです。

するとオーナーシェフは口頭だけではなく丁寧にメモまで書いて、レシピを渡していたと。

気になってこう訊いたそうなんです。

「あのレシピのメモが他の同業者に渡って真似されてもいいんですか?」

するとオーナーシェフは、

「僕の目的は、美味しいものを食べて幸せな気分になっていただくことです。だから他所で真似をされてそれを食べた人が幸せな気分になるのならそれでいいのです。」

「それに。。。」

「レシピを真似たからといって、僕と同じ味が出せるわけではないですから。」

レシピを真似たからといって、同じ味が出せるわけではない。

要は、レシピ以外のところに本質がある、ということを経験的にわかっているんですね。

そしてそれは簡単に真似ができるわけではないことも。

似たような話で、こんな話を聴いたことがあります。

ハンマー投げの室伏広治選手。

引退されましたが、尊敬しているアスリートの1人です。

室伏さんも現役の頃、自らのトレーニングメニューを全公開していたそうなんです。

教えてくれと頼まれたら、全部教える。

それが例え、ライバル選手だとしても。

やっぱり同じような質問をされたようで。

「ライバルに手の内を明かすようなことをして、大丈夫なんですか?」

「同じメニューをこなしたからといって、僕と同じ質のトレーニングができるわけではないので。」

イタリアンのシェフと、同じ答え。

料理のレシピや、トレーニングメニュー。

そこに本質はないと。

もちろんレシピやトレーニングメニューがデタラメだったら論外なんですよ。

それは当然として。

でも「それだけ」だと本質は掴めないですよ、と。

僕の業界でも「レシピ」を欲しがる人がたくさんいます。

「〇〇を治す方法」みたいな。

「レシピコレクター」のような人もいます。

僕も以前はそうでした。

でもね、ほんとに大切なのは、そこじゃない。

同じレシピで料理をしたとしても、「それ以外の要素」で決定的な差がついてしまう。

「それ以外の要素」の重要性に気づけないと、いつまでも「新しいレシピ」を探し求めてしまう。

「〇〇を治すには〇〇という方法がある」

そういうレシピを集めることも、もちろん必要。

ですが、散々いろいろな方法を試しても、思うような結果が出ない方。

もしかしたら「レシピ以外の要素」を探究してみる必要があるのかもしれません。