こころとからだ

ちゃんと靴を揃える。

1年半くらい前、お母さんに連れられて施術を受けにきてくれた、当時中2の男子。

「人生が楽しくない」

と書いた紙をお母さんに見られて、それでなぜかうちの店に連れてこられたそうです。

「なにをやっても、楽しくない。」

そっか。

「でも、変わりたいって気持ちはあるの?」

「はい。一応。。。」

うちの店に入ったときに、彼が脱いだ靴が気になったんです。

乱雑に置かれていて。

「家でも靴を脱いだら、あんな感じ?」

「。。。」

(ウザッ)って心の声が聞こえた。

お母さんを見ると、無言で「うんうん」とうなずいている。

「正しいこと・楽しいこと・大切なこと、この3つの中で、靴をちゃんと揃えるのは、どれだと思う?」

「正しいこと、ですかね。」

「正しいことだから、ちゃんと揃えた方がいいの?」

「違うんですか?」

「いや、違わないよ。そう思うならそれでいいんだけど。でもおじさんは、正しいというよりは、大切なことだと思うんだよね。」

なんでちゃんと靴を揃えた方がいいのか?

乱雑に靴が置かれた玄関と、ちゃんと靴が揃えられた玄関。

心地よさが違うと思わない?

わかりません。

わからないか。

でもね、自分ではわからなくても、カラダには反応が出るんだ。

心地いいか心地よくないかって、カラダが感覚で教えてくれるんだ。

その感覚を、わかるようになろう。

きっとそれが変わるための第一歩になるよ。

乱雑に靴を置いた玄関と、ちゃんと靴を揃えた玄関。

カラダの感覚がどう変わるのか、感じようとしてみて。

最初はなにも感じないかもしれない。

でもあきらめないで、わかるまで感じようとしてみて。

快適なのか不快なのかって、感覚が教えてくれるから。

その感覚がわかったら、自分にとって快適な生き方をみつけやすくなるかもしれないから。

「正しいこと」はアタマで考えることなんだけど、「大切なこと」はカラダが感覚で教えてくれるんだ。

靴を揃えていないときと揃えたときの、感覚の違いを感じようとしてみる。

それが宿題。

・・・というような施術だったんです。

それが、1年半くらい前。

彼への施術はその1回きりでした。

が!

その彼から、オンラインセッションの申し込みがあったんです。

そのセッションが、今日でした。

高校に合格したらしく、その報告をしたかったと。

報告だけならメールでいいのに。

でも、うれしいですね。

彼は、こんな話をしてくれました。

あれから靴を揃えていないときと揃えたときの、カラダの感覚の違いを感じようとしてみた。

最初は全然わからなかった。

でも、そのうちわかるようになった。

ちゃんと靴を揃えた時の方が、カラダが心地いい感じになる気がする。

靴を揃えないと、なんか気持ち悪い感じがする。

それがわかってから、ちゃんと靴を揃えるようになった。

そして、高校受験。

行きたい高校は、A高校。

でも、学力的にかなり難しい。

無難に合格できそうなのは、B高校。

先生にもB高校を目指そうと言われた。

でも、A高校のことを考えているとき、靴をちゃんと揃えたときのような、心地いい感じになる。

B高校にしようかなと考えると、靴を揃えてないときのような、気持ち悪い感じになる。

整体のおじさんが「大切なことは感覚が教えてくれる」って言ってた。

A高校を受けることが、自分にとっては大切なことなのかもしれない。

だから、A高校を受けることにした。

勉強、がんばった。

そしたら、A高校に合格した!

・・・その話を僕に報告したくて、わざわざオンラインセッションを受けてくれたそうです。

うれしいですね。

とってもうれしい。

「ちょっとは人生楽しくなってきた?」

「はい!楽しくなってきました!」

1年半前と、全然目の輝きが違う。

よかったよかった。

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大切なことは、カラダが感覚で教えてくれます。

僕はその感覚に目覚めてもらうために、手あてをしています。