こころとからだ

力が抜けないんです。

先ほどのお客さん。

「なにか気になっていることがありますか?」

「力が抜けないんです。」

そうですよね。

うちの店に限らず、
整体を受けに来られる方の99%に共通していることだと思います。

「なんか、常に全身が力んでしまっている感じがして。。。
寝ているときも歯ぎしりしているみたいだし。。。」

なるほど。

その方に、こんな話をさせていただきました。

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力んでいる感じがするという自覚があるだけ、
まだマシなんですよ。

麻痺してその自覚がなくなってしまう方が、
やっかいです。

自覚がないものを「なんとかしよう」とは、
思えないですからね。

「力が抜けない」ということは、
「交感神経スイッチON」の状態が続いている、
ということです。

そのスイッチをOFFにしないと、
いくら筋肉を緩めても「その場だけ」になってしまう。

筋肉を「緩める」のではなく、
結果的に「緩む」

そういう状態にしたいんですね。

「緩めよう」という「コントロールしよう」という意識が、
交感神経的だからです。

交感神経スイッチONが力が抜けない「原因」で、
筋肉のこわばりは「結果」です。

その「原因」も人それぞれだし、
複合的だったりもします。

が!

ほとんどの方に共通している、
交感神経スイッチがONになりっぱなしの原因があります。

それは「思考が止まらない」

ロマンティックは止まらなくてもいいですが、
思考は止まらないと力が抜けません。

思考って、便利な「道具」なんです。

思考という便利な道具があるからこそ、
人間は人間として存在できています。

でもいくら便利な道具であろうと、
不要な時に手放すことができないと、
邪魔なんです。

スマホ、便利な道具ですよね。

でも常にスマホを手に持ち続けろと言われたら、
どうですか?

絶対邪魔になるタイミングがありますよね。

便利な道具は、
必要なときだけ使えるから、
便利なんです。

思考も同じで。

でも、
必要以上に使ってしまっている。

そしてもはや、
手放し方もわからなくなっている。

なので僕は、
手あてを通じて、
思考を鎮めるお手伝いがしたい。

そのためには、
まず触れる僕が思考を鎮めたい。

思考がフル回転している人に触れられるより、
思考が鎮まった人に触れられた方が、
なんかよさそうじゃないですか。

なんかよさそうて。

語彙力。笑

なので僕は手あての際に、
思考を鎮めるようにしています。

具体的には。

「コントロールしない。」

コントロールしようとしないで触れていると、
思考が飽きてくるんです。

僕の思考が。

飽きてきて、
なにかアピールしてきてもスルーしていると、
そのうち鎮まってくるんです。

慣れてきたので、
いまは3秒でそのモードに入れます。

思考って「なんかやりたがり」なので。

逆になにかを仕掛けようとせず感覚にお任せしてボーっとしていると、
そのうち「お役御免」で鎮まるのです。

じゃあ仕掛けずになにをしているのかというと。

ひたすら、待っています。

ただ緩んでくるのを、待つ。

待つだけ。

ひたすら待つ。

待つたか子。

ただ触れて、待つこと。

どれくらいの時間、できますか?

多くの人は、たぶん飽きるでしょう。

数分で。

でも僕は、
同じ部位を1時間でも触れ続けて、
待ち続けることができます。

仙骨だけを90分触れ続けたこともあります。

自慢じゃないですけど。

いや自慢かもしれない。

どっちでもいい笑

すごいテクニックを駆使して短時間でパパパパーンと治療ができる人は、
たくさんいても。

同じ場所にただ触れ続けて変化を待ち続けることができる人は、
たぶんそんなにいない。

僕はそこにすごく価値を感じていて、
だから「手あて整体」なんて店の名前にしています。

待つって、信頼だなぁって。

待つって、愛だなぁって。

待つって、尊いなぁって。

だから僕は、ただ触れて、待ちます。

あなたが緩んでも緩まなくても、
僕は触れながら「その時」を待ち続けます。

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・・・みたいな話をしたら、
涙を流されました。

どうやら手あてよりトークの方が効いたっぽい笑

まぁ、どっちでもいいです。

「外から緩めてもらった感覚」ではなく、
「内から自発的に緩んだ感覚」をカラダで覚えて、
その感覚を少しずつ日常の中で思い出すようにしてみてください。

その感覚を思い出しているとき、
思考は鎮まっているはずです。

感覚を忘れたら・・・またきてね♪

最後に。

施術とは関係ないですが、
時間指定で頼んでいた荷物が、
時間を過ぎても届きません。

どうなってんだ、いったい。

(それは待てないのかよ)