整体業界に入って間もない、20代後半の頃。
とにかく知識と技術を増やすことが、
整体師としての正しい道だと思っていました。
なので、とにかく勉強をしました。
借金までして、
専門書を大量に買ったり、
沖縄県外のセミナーに通っていました。
そして、
ある程度の知識と技術が身について、
自信もついた気がしたので、
独立開業を決断しました。
そして、その開業後ですね。
気がついてしまったのは。
なにに気がついてしまったのか。
「自分の薄っぺらさ」
にです。
それまで必死で身につけてきた、
知識や技術。
無駄だったとは思いませんが、
その知識や技術のせいで、
「わかったつもり」になってしまっていて、
でも実は「全然わかっていない」ことに、
気がついてしまったのです。
誰に言われたわけでもないですが、
自分の感覚的に気づきました。
なんていうんですかね。
知識や技術を使えば、
一時的に表面的に、
体調が改善するサポートはできるんですよ。
でも、なんかそうじゃない、って気がしたんです。
僕が目指したいのは、そこじゃないって。
自分がやっていることが、すごく浅い気がして。
「もっと、ちゃんと人と向き合いたい」
と、感じたのです。
それまでの僕は、
「自信をつけるためにもっと知識や技術を身につけよう」
という考え方でした。
でも、その考え方では、
いつまでも自分の目指すところに、
到達できないと。
直感的に、気づきました。
表面的にいろいろ知っている・いろいろできる、
そんな浅いところで満足したくない。
そう思いました。
悩んだ挙句に、ひとつの結論が出ました。
「基本中の基本から、しっかりやり直そう」
と。
整体師としての、
施術をさせていただく上での、
基本中の基本。
「触れる」
ことです。
知識や技術を増やしていくことを一旦やめて、
「触れる」を探究していこう。
それが、
僕自身が目指すところに向かう道だと。
直感的に、そう感じました。
なんだか、深いところからワクワクしてきたのを覚えています。
それから、7-8年くらい経ちましたが。
いまだに、僕の「触れる」は、道半ばです。
「ただ触れるだけ」
そんな超単純なことなのに、
奥が深すぎるのです。
僕の「触れる」の探究は、
たぶん一生続きます。
そして未完のままで人生を終えるのでしょう。
でも、それでいいと思っています。
この7-8年、
自分なりに「触れる」を探究してきて、
現時点でわかっていること。
もちろん、
知識や技術を使うからこそ、
できることもあります。
でも逆に、
「ただ触れるだけ」だからこそ、
到達できる領域もあります。
知識や技術では到達できない領域に、
「ただ触れる」だけで到達できるのです。
知識や技術を使わないからこそ、
到達できるのかもしれません。
むしろ、
知識や技術を手放さないと、
「触れる」を深めていくことはできないのです。
そこまでは、感覚的にわかってきました。
という感じで、
僕の「触れるの探究」は、
これからもずっと続いていきます。
しらんけど。