こころとからだ

響き合う手。

「いやぁ、すごいですね。」

お客さんが施術のあとに、しみじみとそう言ってくださいました。

うれしかったのは、

「響き合えた。」

そう感じられたことです。

絵を描くことも、音楽をつくることも。

僕には、いわゆる「アート」の才能はありません。

でも、自分の手あては、アートだと思っています。

手を通して、技術ではなく、自分の世界観を表現しているからです。

絵でも。

音楽でも。

映画でも。

本でも。

すべての作品が、すべての人に響くわけではありません。

「有名だから。」

「評価されているから。」

そんな理由で心が動くことは、僕にはほとんどありません。

ただ、響くかどうか。

それだけ。

理由は説明できない。

でも、なぜか響く。

それが基準。

手あても、同じで。

僕の施術を受けて、

「いやぁ、すごいですね。」

と言ってもらえる。

でも、それは僕がすごいというわけではありません。

僕の世界観と、その方の世界観が響き合った。

誰とでも響き合えるわけではありません。

僕にも、響く音楽があります。

響かない音楽もあります。

響く絵があります。

響かない絵もあります。

だから、僕の手あても、すべての人に響くわけではないでしょう。

以前は、施術後の反応が薄いと、自分を否定されたような気持ちにもなりました。

でも、今は違います。

世界観が違う。

響くポイントが違う。

それは、良い悪いではありません。

ただ、違うだけ。

理屈では埋められないものがある。

そう思えるようになりました。

僕は、自分の仕事を「治療」だとは思っていません。

もちろん、身体が楽になることもあります。

痛みが軽くなることもあります。

気が巡り、結果として治癒反応が起こることもあります。

でも、それを目的にはしていません。

大切にしたいのは、その人の生命と響き合うこと。

身体に触れることを通して、その人の人生に触れること。

そこに「響き」が生まれたとき、結果として身体が変わることもある。

そんな順番。

これからも、この世界観に響いてくださる方たちと響き合いながら、手あてを続けていきたいと思っています。