70代女性のお客さん。
股関節が痛くて歩くこともきつい。
お友達に頻繁に旅行に誘われるらしいのですが、自分の脚のせいで迷惑をかけるからと、断り続けていると。
「ほんとうは行きたいんですか?」
「まぁでも脚が悪いしねぇ~。。。」
「でも良くなるかもしれないですよ」
「もう年寄りだからねぇ~。。。」
こんな感じでね、口癖のように「脚が悪い」「年寄り」って連発するんですよ。
「そうですよね。Aさんは脚が悪いし年寄りですもんね。しょうがないですよね。」
僕がそう言うと、カチンときたご様子。
狙い通り(笑)
「Aさん、今、僕に言われたことにカチンときましたよね。怒るってことは、まだ心の底では受け入れてないんですよ。諦めたくないんですよ。違いますか?」
「自分で言うのはいいけど、他人に言われるのはイヤです。」
「Aさんの心は、ほんとうは僕みたいな他人に言われるより何倍も、Aさんご自身に言われる方が傷ついてるって、知ってました?脚が痛かったら痛いっていうのはいいですよ。実際痛いんだから。でもね、悪いって言わないで。悪くはない。痛いだけ。痛いと悪いは違うから。そして、もう自分のことを年寄りだって言わないで。心の底では受け入れてないんだから、自分に嘘をついて楽な方に逃げるのは、もうやめませんか?やりたいことはやりたいって素直に認めて、そのために努力しましょう。Aさんが覚悟を決めたら、僕は全力でサポートします。どうしますか?」
無言のAさん。
そして、涙が出てきました。
しばらく待っていると、
「がんばってみます。」
「そうですか。わかりました。一緒にがんばりましょう。これから<脚が悪い>と<年寄りだから>は、禁句ですよ。」
それからAさんは、その2つの口癖を言わなくなりました。
覚悟が決まったんですね。
体調を改善するにも、幸せになるにも、覚悟が必要なんです。
現状の自分に甘えられなくなるから。
それから数か月、順調に回復。
そしてAさんからご連絡が。
「先生!先週友達と旅行に行ってきたよ!楽しかった!脚も大丈夫だった!それだけ!じゃあね!」
よかったね、Aさん。

