こころとからだ

わたしさえ我慢すれば。

先日のお客さん。

90分の手あて。

途中から、息苦しそうに。

カラダは「そのまま」という反応だったので、続行。

そしてその息苦しさをしっかり感じきった方がいいと判断し、あえてお声がけもしませんでした。

しばらくキツそうでしたが、そのうち少しずつ落ち着いてきて、最後の方は深くリラックスできたような感じになりました。

手あて終了後。

「途中、胸の中心あたりを針で刺されたような痛みを感じて、しばらく苦しかったです。」

ちなみに、その胸の中心あたり、そこに近いところでさえ、その時の手あてでは一切触れていません。

ただ、カラダが調っていこうとする過程の中で一時的に不快感が出てきてしまうことは、よくあることなんですね。

先日のこの記事で書いたように。

「胸の中心あたりに不快感が出たのは、そのあたりに強いストレスを抱えこんでいたから、かもしれません。」

そうお伝えすると

「実は数日前に知人と揉めて、まさに胸の中心あたりをドンと突き飛ばされたんです」

よろけて、うしろの壁に強くぶつかったそうです。

いやいや、それ暴力じゃないですか。

それで、どうしたんですか?

「それだけ怒るのは、彼女にも事情があると思って・・・」

彼女にも事情があると思って、こらえたんですね。

大人の対応です。

でも、ほんとうは、すごくビックリしたし、こわかったし、悔しかったんじゃないですかね。

でもそういう感情を、まさに胸の奥にグッとしまいこんだ。

でも、手あてで緩んできたせいで、その一旦しまいこんだものが出てきちゃったのかもしれません。

突き飛ばされたその場で泣き喚いたり怒り狂ったりして発散してしまえば、しまいこまなくても済んだのかもしれない。

でも、そんなことはできなかった。

その大人の対応が間違えていたわけではありません。

ただ、発散できずに胸の奥にしまいこんだストレスは、なんらかの方法で発散しない限り、そのままそこに居座ってしまうのです。

そうなると、そのうちその出来事さえも記憶が薄れてきて、「なんだかよくわからないうっすらとした不快感」が心の奥の方に残りつづけるだけ。

そうなってからそのエネルギーを解放しようとするのは、結構大変なんです。

年月が経てば経つほど、染みついてしまっているから。

洋服についた染みも、染みがついた直後の方が落としやすいじゃないですか。

時間が経てば経つほど、落としづらくなっていく。

だから今回は突き飛ばされた数日後に発散できて、そんなに日が経たないうちで、ほんとうによかったと思います。

「こんなにストレスに感じていたとは思いませんでした。」

たぶんネガティブな感情をしまいこんでしまう癖があるのでしょうね。

わたしさえ我慢すれば、表面上は丸くおさまるから。

でも、ストレスは染みになるまで溜め込んでおかずに、なるべく早めに発散できるといいですね。

来店されたときは暗く沈んだ表情だったのですが、帰りは穏やかな柔らかい表情に変化されていました。

よかったよかった。