「もっとこうなりたい」
変化・成長の欲求と。
「そのままの自分を認めたい(認めてほしい)」
という欲求。
矛盾した2つの欲求を同時に持っているのが、人間です。
コンプレックスとの向き合い方も、2種類あって。
ひとつは、努力する。
もうひとつは、受け容れる。
努力でどうにかなりそうなことなら、克服しようとチャレンジしてみる。
素晴らしいことです。
結果はどうあれ、自分を変えようとチャレンジしてみたことが、尊い。
一方で。
残念ながら、努力ではどうにもならないこともある。
そんな時は、それを嘆き悲しみ怒り落ち込むのではなく。
受け容れる。
年齢を重ねるごとに体重は増え頭髪は減っていく僕の、心の師匠がいます。
受け容れるどころか、感謝までしている。
懐の深い男だ。
そんな心の師匠、ジェイソン・ステイサムは、髪がなくてもカッコいい。
いや、たぶん師匠レベルの境地に達すると、
「髪がなくても、じゃなくて、髪がないからカッコいいんだぜ。」
って言いそう。
そんな師匠は、髪はなくても筋肉はすごい。
ということで、僕もせっせとジム通いをして筋トレをしています。
自分で自分をカッコいいと思える体型になりたいのです。
沖縄にいるころは、
「トレーナーだからトレーニングをしなきゃいけない。」
と、義務でトレーニングをしていました。
東京にきてからは、
「自分がカッコいいと思える体型になりたい。」
と、好奇心・向上心でトレーニングをしています。
結果、いまの方がトレーニングを楽しめているし、定期的にちゃんと継続できています。
それなりの筋力があって、それなりの体型で、それなりに走れる。
それがフィジカル的に目指すところで、今はそれを目指すことを楽しめています。
髪のことはもう、受け容れました。
でも、筋力・走力・体型については、まだまだ成長の余地があると思っていて。
なので、例えば育毛剤に使うお金があるなら、プロテインやランニングシューズに使いたい。
変わりたいと努力する。
変わらないことを受け容れる。
どちらも大切。
変えられるものと、変えられないもの。
変えたいものと、変わらなくていいもの。
それぞれ、あると思うのです。
自分にとってしっくりくる形で、そのラベリングができるといいですよね。
本心では「変わりたい」のに受け容れて(あきらめて)しまうと、自分の中にモヤモヤが渦巻き続けます。
「変えられない。変わらなくていい。」ことを変えようとすると、疲弊・消耗します。
「がんばらなくてもいい」の「悟り系」に振り切りすぎると、「変わりたい自分」を蔑ろにしてしまいます。
「変わらなきゃいけない」の「努力系」に振り切りすぎると、「ありのままの自分」を受け容れることができず、根本的なところでの自己信頼が起こりません。
「もっとこうなりたい」の自分。
「ありのままを受け容れたい」の自分。
矛盾したふたつの自分が、どちらも存在しているのです。
どちらかに偏るのではなく、どちらも大切にしたいですね。