「疾病利得」という言葉を見聞きしたことはありますか?
文字通り「病気になることで、なんらかの利益を得ている」というような意味です。
以前のお客さんでこんな事例がありました。
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お客さん(Aさん)「腰痛がつらくて病院にも整骨院にも整体にもたくさん行ったのだけど、全然良くならない。整体だけで何十件も行ったのよ。」
「なるほど。」
「ところが病院は・・・・で、この前行った整体なんか、・・・・で。。。(延々と愚痴)」
「なるほど。Aさん、うちでもAさんの腰痛、治らないです。せっかくお越しいただいたのに申し訳ないですが。」
「まだ何もしてないじゃない?」
「施術はしていないですが、話をお聴きした上での判断です。」
「今の話で何がわかったっていうの?」
「Aさんが本気で腰痛を治したいと思っていないことと、次の整体ではうちの愚痴を言うのだろうなということがわかりました。」
「ちゃんと話聴いてた?今まで何十件もの整体に行ったのよ。本気じゃないとそこまでしないでしょう。」
「何十件も整体に行ったのに治らない酷い腰痛で苦しんでいる私でいたいんですよね。」
わたしがどんなにしんどい想いをしてきたのか、聴いてほしい。共感してほしい。慰めてほしい。労わってほしい。優しくしてほしい。
そういうことが必要なタイミングなら、もちろんそうします。
それが、その場だけの上辺の癒しにしかならないとしても。
でも、Aさんは、そろそろ気づいてもいいんじゃないか。
そういう直感があったので、その感覚を信じ、直球を投げました。
「Aさんが何十件も病院や整体に行って、それでも治らない腰痛に困っているのはわかりました。でもAさんが本当に求めているのは、腰痛の改善ではなく、つらかった気持ちを聴いてほしい、そして共感して、慰めて、労わって、優しくしてほしい。そこじゃないですか?」
「・・・。」
「でもそれをする役割は、本当は僕じゃないはずなんですよ。本当はもっと身近な人、例えばご主人とか、そういう人にわかってほしいって思っていないですか?」
「・・・。」
この辺で、Aさんから涙がこぼれはじめました。
「ご主人はAさんのことを労わってくれない。それが悲しい。でも、体調が悪くなったら労ってくれるかもしれない。でも、それでも労ってくれない。だったら自分がどんなに大変な思いをしているのか、知らしめてやろう。そのためには、簡単に腰痛が治ったら困る。何十件も整体に通っても治らない。わたしはこんなにつらいんだって。こんなにつらいんだから、少しくらい心配してほしい。優しくしてほしい。そんな風になってしまっていないですか?」
ここで、Aさんは号泣されました。
しばらく収まらないほどの、大号泣。
そして、ようやく落ち着いた頃。
「あなたの言う通りだと思います。」
「じゃあ、それがわかった上で今Aさんがすべきことはなんですか?」
「・・・わかりません。」
「じゃあ代わりに僕が言いますね。今の素直な気持ちを、全てご主人に吐き出してください。」
「はい。」
「勇気が要ると思います。でも僕も勇気を出して伝えました。出来そうですか?」
「やってみます。」
そして帰宅後、勇気を出してご主人に素直な気持ちを伝えたそうです。
そして、そのご報告が、メールで。
許可をいただいたので、一部シェアします。
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先程は有難う御座いました。
適当に聞き流されるだけだと思いましたが、思い切って話してみました。
話しているうちに怒りが込み上げてきて、怒鳴り声のようになってしまい。
それでも主人は黙って聞いてくれました。
怒りが落ち着くと今度は寂しさが湧き上がってきました。
「ずっと寂しかった」と素直に告げると「悪かった。」と頭を下げてくれました。
もう何十年も感謝や謝罪の言葉を主人から聞いたことはありませんでした。
信じられないことが起こりました。
今は心にかかっていた靄がすっと晴れたような状態です。
腰の痛みもかなり楽になったような気がします。
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アタマでは「こうなりたい」と思っているのに、潜在意識には「そうなりたくない」という「設定」が入ってしまっている。
慢性的な体調不良にはそんな「疾病利得」が潜んでいることも。
なかなか自分じゃ気づけないし、指摘されても認めたくない類のものですが。
これ、経営でも同じです。
アタマでは「もっと売上を上げたい」と思っているのに、潜在意識では「逆の設定」が入ってしまっている。ことがある。
なぜ意図と反する設定が入ってしまっているのか?
その理由を知り、受け入れた上で、上書きすることができれば、潜在意識は「なりたい自分」に近づく後押しをしてくれます。
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