こころとからだ

「ちゃんと」

皮ふ・筋膜・筋肉・骨・関節・内臓・ツボ・その他・・・

整体師は、
カラダのいろんなところに触れます。

でもそれって、
ほんとうの意味で触れることができているのでしょうか?

以前、施術を受けにお越しいただいた方に、

「はじめて、ちゃんとカラダに触れてもらった感じがします」

と、言ってもらえました。

とってもうれしいご感想。

僕が施術をさせていただくうえで、
最も大切にしていることだからです。

どこかに触れる、という行為。

物理的に触れるだけなら、
誰でもできる簡単な行為です。

ただ、
その部位の芯というかコアに触れるって、
そう簡単ではないのです。

まず、
物理的に触れていたとしても、
エネルギー的には触れていない、
ということも起こります。

エネルギー的に触れていない、
というのは、
エネルギー(意識・氣)の交流が起こっていない、
と言い換えることもできます。

例えば、
職場のめっちゃ嫌いな上司に、
ポンと肩に手を乗せられたとき。

物理的には触れられていますが、
意識としては断固拒絶していますよね。

肩をはじめ全身が硬直し、全力の防御反応。

それは僕の感覚では、
ほんとうの意味で触れているとは言いません。

じゃあ、
カラダが受け入れてくれる触れ方なら、
いいのか。

そこにも実は、レベルがあります。

イメージとしては、
カラダの受け入れレベルは層のようになっていて。

仮に、
1層目が最も表面、
10層目が芯だとします。

カラダが受け入れてくれる触れ方にも、
レベル1からレベル10まである、
ということです。

僕の感覚だと、
10層目・レベル10で触れることができてはじめて、

「ちゃんと触れている」

という感覚になります。

さっき書いた、

「はじめて、ちゃんとカラダに触れてもらった感じがします」

と言ってくれたお客さん。

それを、どのタイミングで言ってくれたのかというと。

その方の施術は、
最初に横向きに寝ていただいて、
仙骨に触れることからはじまりました。

仙骨に触れて、
レベル10のタッチに到達するまで、
待ちます。

それなりに時間が経っても、
仙骨の芯(10層目)まで届きません。

が、待ちます。

15分くらい経って、
ようやく仙骨の芯に触れた感覚がありました。

僕が、

「あ、やっと芯に触れることができた」

と感じた直後に、
あの言葉を発せられたのです。

「はじめて、ちゃんとカラダに触れてもらった感じがします」

って。

仙骨の芯に触れてから=ちゃんと仙骨に触れてから、
そこからやっと仙骨の調整がはじまります。

20代の頃の僕は、
いや30代前半もかな、
仙骨の調整をするとしたら、
仙骨に(物理的に)触れて、
いきなりゆがみやねじれ・動きなどの評価をして、
そしてすぐに調整に入っていました。

もちろんそれでも、
見た目的には変わるんですよ。

カラダの反応も変わります。

が!

その調整のときに仙骨に触れているレベルが、
たとえばレベル3(3層)のタッチだったとしたら。

そのタッチを使った調整は、
レベル3程度の反応・変化しか出せないのです。

今の僕は、
カラダのある部位を調整するときは、
まずその部位にちゃんと触れる(自分の中でのレベル10)ところから入るようにしています。

さきほどの例のように、
その部位にちゃんと触れられるまでに15分かかる、
ということもあります。

それでも僕は、ちゃんと触れたいのです。

ちゃんと触れた上で、調整をしたい。

なんなら、
ちゃんと触れることさえできれば、
調整は必要なくなることもあります。

なので、僕の感覚では。

調整・矯正・・・呼び方はなんでもいいですが、
まぁ一般的にいう「テクニック」ですね。

「テクニック」よりも「ちゃんと触れる」ことの方が大切、
だと思っているのです。

もちろんテクニックも、プロとしては必要です。

が!

テクニックだけでは出せない反応が、
ちゃんと触れるだけで出せることもあります。

むしろ、
いくらテクニックを使っても、
ちゃんと触れないと出ない反応もあります。

経験的に、
心身に深いストレスを抱えている人であればあるほど、
「ちゃんと触れる」が必要です。

これからの施術でも、
「ちゃんと触れる」ことを1番の土台に置いて、
施術をしていきたいと思っています。

で、「ちゃんと触れる」という感覚がわかってくると。

それは、

「ちゃんと伝える」

とか、

「ちゃんと聴く」

などとも繋がってくることがわかってきます。

例えば、こんな経験ないですか?

自分が話しているときに、
相手に対して、

「ちゃんと話聴いてくれてないな」

って感じたこと。

ちゃんと聴いてないって、
なんとなくわかるじゃないですか。

同じように、
ちゃんと触れてないことも、
感覚的にわかるんですよ。

でも、
相手がちゃんと聴いてくれないときって、
自分がちゃんと伝えてないときなんですよ。

ちゃんと伝えれば、
ちゃんと聴いてくれます。

逆の立場だと、
ちゃんと聴いていれば(ちゃんと聴こうとすれば)、
相手はちゃんと伝えてくれるようになります。

ちゃんと触れる・ちゃんと触れられる、は、
ちゃんと伝える・ちゃんと聴く、と、
根っこは同じです。

なので、
「ちゃんと触れる(触れられる)」の感覚は、
施術やカラダケアだけではなく、
身体接触のないコミュニケーションにも活きてくる、
はずです。

あとは、
ちゃんと触れる・触れられるが体感できるようになってくると、
ちゃんと伝えるやちゃんと聴くができるようになってくるだけではなく、
料理の味とか、
絵や音楽などのアートとか、
モノや場のもつエネルギーとか、
そういうものも「ちゃんと感じられる」ようになってきます。

話は一気に変わりますが、
最近ゴールドジムに入会しました。

「ちゃんと通う」ようにします。

ではでは、ありがとうございました。

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